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2007.08.07 (Tue)

腐ってゆく

隴西(ろうさい)の李徴(りちょう)は博学才穎(さいえい)、天宝の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉(こうなんい)に補せられたが、性、狷介(けんかい)、自(みずか)ら恃(たの)むところ頗(すこぶ)る厚く、賤吏(せんり)に甘んずるを潔(いさぎよ)しとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山(こざん)、略(かくりゃく)に帰臥(きが)し、人と交(まじわり)を絶って、ひたすら詩作に耽(ふけ)った。



夏になると、毎年書店では新刊以外の名作が棚に並べられ
しきりと読書を推奨する帯がそれらの書物にかけられます。
恐らくは夏休みの宿題の代名詞「読書感想文」に乗っかった商法だろうけど
とうに学籍を離れた身分の私も、ついついこの季節には
題名だけは知っている純文学や、有名作家の文庫本に手を出したくなる。

上の文章はその勢いで手に取ってしまった文庫本「山月記」の冒頭部分。
中島敦の山月記と言うと、日本の殆どの高校で現国の時間に習う作品ですよね。
いわゆる、人が虎になってしまう話。
人間の業の深さ、闇、突き放すような完結にもかかわらず壮絶な余韻を残すラストが
今でも印象に残っていると懐かしむ人が少なくない、割と人気の題目です。

かくいう私もその一人。
世の中ポジティブシンキングだけで渡っていけるほど甘くないよ、と
大して意味も無く斜に構えていた多感な高校時代にこの作品に出会い
狙い通りにツボにはめられた、チョロイ女子高生だった訳で(笑)。


懐かしいな~

と書店で立ち読みを始めたのですが、読み進むうち
文章の内容がなかなか頭にすんなり入ってこないことに気付きました。

すんなり理解できないので、また最初から読む。
また頭に入ってこなかったので、更に戻って読む。
やっぱり理解できなかったので…


………。


…文章、難しすぎ…(・Д・;)





テレビなど、日々分かりやすいメディアばかり選んで見ているうちに
どうも見慣れない古い文体や表現に免疫がなくなってしまった私。
勿論、山月記自体簡単でない文章ではあるのですが
それにつけてもこの解読力の遅さ。我ながら恥ずかしいことこの上ない。


それでなくても、最近のテレビはどんどんレベルが下がってますからね。
NHKでさえ「それじゃ今の人が理解できないから」と熟語や難しい漢字をやめて
易しい表現に置き換えるようにしているのだとか。
某脚本家の話だと「白羽の矢が立つ」という言葉もNGだったらしいですよ。
視聴者が理解できないだろうからって。
時代劇だったそうですが…「○○が選ばれた」と味も素っ気も無い表現に
訂正させられたらしいです。


私も含め、世間の『慣用句・ことわざ・難しい表現離れ』が
こうやって進んでいるみたいですね。






でもね~…
私が言うのも何ですけど、テレビみたいな身近なメディアが
分からない人にどんどん合わせていったら
皆が皆「分かってない人」に堕ちていくんじゃないでしょうかね?
現にここに山月記の冒頭でクラクラしてる人がいますから(苦笑)。
多少難しい表現を使ったって、それが「知る機会」につながるわけで
結果いい方向に視聴者が成長するんじゃないかと。
「視聴者が理解できないだろうから、その表現はやめよう」だなんて
何とも弱っちい世情になったもんです。











いずれ、山月記の冒頭はこうなってしまうかもしれませんね。





隴西(ろうせい)ってところで生まれた李徴(りちょう)って男はね~、
すっげアタマいい奴で~、若いうちから「科挙」っていう
むっずかし~い公務員の試験に合格しちゃったんだよね~。
それで地方コームインになったんだけどさあ、実はそいつ性格めちゃくちゃ悪くて~、
人のハナシ聞かないし、プライドは高いしで、
下っぱ役人なんてやってらんね~ってカンジでソッコー辞めちゃったんだあ、仕事~。
そんで田舎に帰って~、バイトもしねぇで一人で詩とか作ってたんだって~。
イマドキ詩なんてオニやばくね?どんだけぇ~。






…大丈夫か?これからの日本… (゚Д゚)



そんな事を悶々と考えながら保育園の周辺をウロつく、慣らし保育待ちの私なのですた。

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Comment

クラクラしました、冒頭の文。
ほんと、勉強離れ、日本語離れを加速させてるのは今の大人たちでしょうね。
時代劇に「選ばれた」って・・・・(苦笑)
視聴率、気にしすぎ?

> いずれ、山月記の冒頭はこうなってしまうかもしれませんね。

ぶっ、やだな、こんな冒頭・・・わかりやすいけど(爆)

インド式の小学校(だったでしょうか?)が人気らしいとか・・・
ただ、学校として認可されてないのであくまで塾らしいですが、
要領を得て、集中力を途切れさせない授業の工夫が学校に求められているんでしょうね。
せっかく誰もが教育を受けられる環境にある、という国なのに。
物があふれていても、食育をおろそかにしてるので、メタボリックな子供だったり、
栄養失調だったりする子も居たり。
地デジにするぞって、そんなところで国が強制的にしなくても、
他にもやる事あんだろ~・・・と思う事ばかりです。
月子 |  2007.08.09(Thu) 08:51 |  URL |  【コメント編集】

最近、若者に人気の小説は読みやすいです。

特に携帯小説など・・・、ただ今イチ奥深さが足りないというか・・

悲しい話とか泣いちゃいますけど・・・・読み終わってから心に残

りません。また読みたいと思わない上滑り感といいますか・・・

エッセイならまだしも、本当に小説と呼べるのかな?と疑問に思

います。

でも・・・正直・・・漢文や純文学など・・・・読めません(理解でき

ません)・・・・

と言うか経済新聞もチンぷんかんプンです(。´Д⊂)

中々眠れない時には昔の教科書を引っ張りだしちゃいます。(笑)

スン |  2007.08.09(Thu) 09:57 |  URL |  【コメント編集】

>月子さん

某SNSの地域コミュのトピックの中で
「○○駅の近くのカフェで個展ひらいてます☆
 良かったら行ってみて下さいねv」
という書き込みを見つけました…。

「行ってみて」って…自分の個展なのにそんな他人事な言い方でいいの~??
てか、こういう場合は
「お立ち寄り下さい」とか
「お越し下さい」
が正解ですよね…。

若者がだんだん嘆かわしい状況になっているような。
「分かっててボケてる」なら拍手モノですが
「マジでこの程度」だと、もう空笑いすら出てきませんね。

政治もそうですが、今の状況は、民間メディアのレベル低迷にあると思います。
加えて、若者層を中心に皆がテレビやインターネットの世界そのものを現実だと捉えてしまっているところ。
場面を盛り上げるためのフィクションとか、架空の設定とか、ヤラセ(…)もあるんだから
全部鵜呑みにしないで、きちんと自分で「何がリアルなのか」を考えて情報を取り込まないとね。

人間の価値は「曖昧な知識」でなく、
「行動による確固とした経験値」で決まるんだと、美輪様もおっしゃっていましたので…。
って、やっぱりテレビの影響じゃん(笑)
hato |  2007.08.17(Fri) 10:03 |  URL |  【コメント編集】

>スンさん

お気を悪くさせてしまったら申し訳ないのですが最近の若者向けらしき小説やら映画などは、内容よりもまず
「オラ泣け!泣けよ!泣きたいんだろ?!こんだけ泣かせるエピソードてんこ盛りにしてやったんだからな!非日常的な疑似体験でもして暇をつぶしてろ!!」
という作り手の下心みたいなものがプンプン漂っていて、どうにも手に取る気にならないんです…。
未だに斜に構えているミソジですみません(´Д`)

古典は確かに難しいですから、無理に理解しようとしなくても大丈夫ですよ☆
ただ知識の幅は広がりますので、余裕があれば知っておく程度で良いと思います。
(因みに経済新聞は私も嫌いです…)

流行りに乗らないで、自分だけが好きなものを追求するのは若い方では難しいのかも知れませんが、
スンさんにもいつか「何度見ても、何度読んでもどうしようもなく感動する」一生モノの本や映画が見つかるといいですね。
hato |  2007.08.17(Fri) 10:20 |  URL |  【コメント編集】

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